最大層間変形角の概算方法の妥当性を、E-ディフェンス(国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター)で行われた、RC造4階建て実大モデルの加振実験結果と比較し検証しました。
実験に供されたモデルの形状を下図に示します。 また、最大層間変形角の実験結果と概算値との比較を、下表と次頁に示します。最大層間変形角の概算は、用いる各階での最大加速度により4種の方法で行いました。
比較の対象とした実験結果は、加振波形を変えた3ケースとしました。 (1次の)固有周期は、最上階と1階のスペクトル比のピークを与える周期のうち、最も長い値としました。 加振により生じた最大加速度が大きくなると、固有周期が長くなっていく傾向が見られます。
最大層間変形角の実験結果と概算値とを比較すると、1階での差が大きくなっています。 ただし、建物全体での最大層間変形角に関しては、各階に全て最上階の加速度が作用したと仮定した概算_4を除けば、平均30%、最大70%程度の差異で安全側の値が得られています。
加振波形 | 倍率 (%) |
方向 | 最大 加速度 (gal) |
推定 固有周期 (s) |
最大層間変形角(rad) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
概算_1 | 概算_2 | 概算_3 | 概算_4 | 実測値 | |||||
JMA神戸波 | 25 | 短辺 | 647.8 | 0.408 | 0.00335 | 0.00362 | 0.00378 | 0.00465 | 0.00219 |
長辺 | 309.9 | 0.491 | 0.00230 | 0.00220 | 0.00214 | 0.00263 | 0.00214 | ||
JMA神戸波 | 50 | 短辺 | 1078 | 0.602 | 0.0125 | 0.0130 | 0.0137 | 0.0169 | 0.00864 |
長辺 | 743.9 | 0.871. | 0.0176 | 0.0157 | 0.0158 | 0.0195 | 0.0167 | ||
JMA神戸波 | 100 | 短辺 | 1335 | 1.02 | 0.0535 | 0.0549 | 0.0491 | 0.0604 | 0.0306 |
長辺 | 1027 | 1.06 | 0.0413 | 0.0429 | 0.0376 | 0.0463 | 0.0345 |
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