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Geo-Seismo Technical Report 11

最大層間変形角の概算法を検証(6)

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1 概要

最大層間変形角の概算方法の妥当性を、E-ディフェンス(国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター)で行われた、RC造10階建て実大モデルの加振実験結果と比較し検証しました。

2 大型振動台を用いた加振実験

実験に供されたモデルの形状を右図に示します。また、最大層間変形角の実験結果と概算値との比較を、下表と次頁に示します。 最大層間変形角の概算は、用いる各階での最大加速度により4種の方法で行いました。 比較の対象とした実験結果は、基礎梁部を振動台に固定して行われた実験のうち、加振波形を変えた3ケースとしました。

実験結果からは、加振により生じた最大加速度が大きくなると、固有周期が長くなっていく傾向が見られます。最大層間変形角の実験結果と概算値とを比較すると、下層階での差が大きくなっています。 建物全体での最大層間変形角に関しては、各階に全て最上階の加速度が作用したと仮定した概算_4を除けば、平均40%、最大100%程度の差異で安全側の値が得られています。

加振波形 倍率
(%)
方向 最大
加速度
(gal)
推定
固有周期
(s)
最大層間変形角(rad)
概算_1 概算_2 概算_3 概算_4 実測値
JMA神戸波 25 短辺 585.2 0.725 0.00418 0.00427 0.00483 0.00624 0.00208
長辺 873.7 0.953 0.00965 0.0111 0.0125 0.0161 0.00787
JMA神戸波 50 短辺 1078 0.770 0.00919 0.00939 0.0101 0.0130 0.00700
長辺 1153 1.07 0.0182 0.0192 0.0208 0.0268 0.0179
JMA神戸波 100 短辺 1395 1.03 0.0224 0.0231 0.0222 0.0286 0.0146
長辺 1811 1.44 0.0661 0.0612 0.0588 0.0759 0.0312
概算_1(各階の最大加速度を使用)      概算_2(各階は最上階と最下階の値より補間)
概算_3(最下階の値を最上階の1/2として補間) 概算_4(各階は全て最上階の値を使用)
JMA神戸波25%加振時のスペクトル比と層間変形角(短辺方向、長辺方向)
JMA神戸波50%加振時のスペクトル比と層間変形角(短辺方向、長辺方向)
JMA神戸波100%加振時のスペクトル比と層間変形角(短辺方向、長辺方向)
(参考資料 https://www.edgrid.jp/ 現行耐震設計基準に基づく10層RC造骨組の崩壊メカニズムと普及型高耐震技術に関する実験よりダウンロード)
●実験結果の報告.pdf 「E-ディフェンスを用いた10階建て鉄筋コンクリート造建物(2015)の三次元振動台実験」
●01---試験ケース表.xlsx、02_【資料1】---【チャンネルリスト(各JB用)】.pdf
●及び各センサのデータファイル