最大層間変形角の概算方法の妥当性を、E-ディフェンス(国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター)で行われた、RC造10階建て実大モデルの加振実験結果と比較し検証しました。
実験に供されたモデルの形状を右図に示します。また、最大層間変形角の実験結果と概算値との比較を、下表と次頁に示します。 最大層間変形角の概算は、用いる各階での最大加速度により4種の方法で行いました。 比較の対象とした実験結果は、基礎梁部を振動台に固定して行われた実験のうち、加振波形を変えた3ケースとしました。
実験結果からは、加振により生じた最大加速度が大きくなると、固有周期が長くなっていく傾向が見られます。最大層間変形角の実験結果と概算値とを比較すると、下層階での差が大きくなっています。 建物全体での最大層間変形角に関しては、各階に全て最上階の加速度が作用したと仮定した概算_4を除けば、平均40%、最大100%程度の差異で安全側の値が得られています。
加振波形 | 倍率 (%) |
方向 | 最大 加速度 (gal) |
推定 固有周期 (s) |
最大層間変形角(rad) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
概算_1 | 概算_2 | 概算_3 | 概算_4 | 実測値 | |||||
JMA神戸波 | 25 | 短辺 | 585.2 | 0.725 | 0.00418 | 0.00427 | 0.00483 | 0.00624 | 0.00208 |
長辺 | 873.7 | 0.953 | 0.00965 | 0.0111 | 0.0125 | 0.0161 | 0.00787 | ||
JMA神戸波 | 50 | 短辺 | 1078 | 0.770 | 0.00919 | 0.00939 | 0.0101 | 0.0130 | 0.00700 |
長辺 | 1153 | 1.07 | 0.0182 | 0.0192 | 0.0208 | 0.0268 | 0.0179 | ||
JMA神戸波 | 100 | 短辺 | 1395 | 1.03 | 0.0224 | 0.0231 | 0.0222 | 0.0286 | 0.0146 |
長辺 | 1811 | 1.44 | 0.0661 | 0.0612 | 0.0588 | 0.0759 | 0.0312 |
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