HOME技術情報>建物の地震前後における傾斜変化を推定

Geo-Seismo Technical Report 27

建物の地震前後における傾斜変化を推定

→PDF

1 概要

Geo-Stickに搭載されているMEMS加速度センサでは、静的加速度である重力加速度が計測できます。この機能を使って、地震前後の建物の傾斜変化を調べることができます。

2 プリトリガ前と計測終了直前のデータを平均

Geo-Stickの傾斜は次式で表されます(AnalogDevice社のアプリケーションノートより引用)。Aは加速度値です。RC造4階建の建物で計測された地震時の加速度時刻歴より、傾斜Φの変化を下図に示しました。地震時には加速度が加わるため、傾斜は正しく計測されませんが、プリトリガ前の4秒間とデータと計測終了前の4秒間の値それぞれの平均値を比較すると、下記のようになり、傾斜変化がないことがわかります。

プリトリガ前:0.011984 計測終了前:0.011994 差分:0.000010 (単位rad.)

地震時の傾斜変化(2022/11/09 17:40:15、RC造4階建、4階床)
傾斜変化のうちプリトリガ前のデータ(左)と計測終了直前のデータ(右)
地震時の加速度時刻歴(2022/11/09 17:40:15、RC造4階建、4階床)