HOME技術情報>ランニングスペクトルが表す震動中の特性変化

Geo-Seismo Technical Report 21

ランニングスペクトルが表す震動中の特性変化

→PDF

1 概要

Geo-Stickにより得られた加速度時刻歴データからは、これの周波数特性を表すフーリエ振幅スペクトルが得られます。さらに、時間を区切ってこの処理を行うことで、ランニングスペクトルが得られます。

2 ランニングスペクトルが表すもの

ランニングスペクトルを求めるには、加速度時刻歴データ20秒分を、計測開始から0~20秒、10~30秒、20~40秒といったように、10秒ごとにずらして抽出し、それぞれでスペクトルを求めます。これを、縦軸に周期をとり計測時間方向に並べて、値をコンターで表示します。

ランニングスペクトルの概念

2020/06/25 04:47の地震で、Geo-Stickが設置された建物(4階建、RC造)の1階において観測された加速度時刻歴データをもとに、ランニングスペクトルを描いた例を下図に示します。震動中に加速度の周波数特性が変化していることがわかります。

震源と建物の位置関係
上から、1階の加速度時刻歴、フーリエ振幅スペクトル、ランニングスペクトル